海外通信

  • 海外視察ルポ Vol.3 オランダ
    September 2015

    ユニセフが毎年行う「子どもの幸福度調査」で、2007年、2013年に世界1位となったオランダ。今回は、日本と同様に「人」が国の最も大切な資源であり、世界でも最高水準の教育制度を誇るオランダを視察先に選びました。教育水準が高いだけでなく、豊かな芸術・文化に触れることができ、日常生活の質も高いことから、日本からの教育移住者がここ数年増加しています。
    訪れたのは、ロッテルダム近郊の小学校です。オランダには幼稚園がなく、託児所が生後6カ月~4歳の子どもを預かり、 4~12歳の8年間、小学校に通います。
    イエナプラン教育を取り入れているDr. Schaepmanschoolに到着し、先生方が笑顔で出迎えてくれたのは、玄関ドアが大きく、入口も広いエントランス。生徒を迎えたり、地域の人が遊びにきたり、人と人とが行き交う社交の場として、大変重要なスペースなのだと説明を受けました。迎えにくる保護者ともリラックスして話ができるように、心地よく過ごせる空間がつくられていました。

    エントランスを抜けると、ステージと呼ばれる広場があり、毎週金曜日に4~6歳の低学年の子どもたちが、1週間で学んだことを発表します。低学年の12グループのうち、毎回3グループがローテーションでみんなの前に立ち、親たちが見守る中で、例えば、トカゲを見つけて、それについて調べてみたこと、学んだことなどを、持ち時間5分で発表します。
    自分の意見をいうことを大切にしながらも、恥ずかしがり屋の子に無理強いすることはなく、子どもたちの自主性に任せています。初めは一番後ろに隠れていた子も、回数を重ねるうちに、前に出て発表できるようになるのだそうです。

    次に、子どもたちの教室を見学。毎朝30分、必ずサークルタイムがあり、木の幹で作ったイスに座って話をします。この時間は、ほかの先生や生徒を絶対に教室に入れないようにしています。
    学校として大切にしていることは、
    1.自分の面倒をみること(self take care)
    2.人の面倒をみること(take care each other)
    3.自分たちの使っている場所の面倒をみること
    これにより、何か困ることやできないことがあると、サークルタイムで話し合い、助け合いの心を育てます。

    さらに、木の幹のイスには自分の名前をマジックで書くので、以前そのイスを使っていた人の名前も、少し消えかけながら残っています。
    これは、とても大切なことで、自分より前にいた人も、成長して次のステップに行ったんだ、自分も今できないことができるようになって、成長していくんだということを、そのイスからも感じ取れるようになっています。

    続いて2階に上がると6~9歳の教室があり、低学年クラスと違って、勉強をする教室という雰囲気。自習の時間だったので、みんな静かに机に向かっていました。
    それぞれの子どもに目標が決まっていて、それに向かって自分で予定を立てて勉強します。
    例えば、数学を勉強している子は、解答の書かれたテキストが教室に1冊あり、自分で答え合わせをします。3問以上間違えたら、先生を呼んでチェックしてもらい、解き方を教えてもらいます。
    分からないときには大切なことは、
    1.まず問題を読み直す
    2.それでも分からなければ、それは置いておいて、次のことをする。時間をムダにしないために、どんどん進めていく
    みんなが分かるまで進めない通常の学校とは違い、自分のペースでどんどん進めさせていき、子どもたちは、先生が回ってきたときに質問をします。
    テストは年に2回、中間と期末があり、結果が良くない、できない子はほとんどいないといいます。分からない問題があったときは、サークルタイムなどで必ず質問し、みんなが助けてくれるからだそうです。

    先生いわく、モンテッソーリ教育は、より個々に対する教育で、イエナプラン教育はチーム教育。みんなが助け合いながら、思いやりのある子どもに育てていきます。
    誰が一番賢いかなどではなく、人はみんな、一人ひとりが異なり、その違いが将来セールスポイントになると考えます。社会に出て大切なのは、人と上手にコミュニケーションが図れること。そのため、イエナプラン教育では、サークルタイムを積極的に取り入れ、互いが助け合い、子どもがSOSを発信できる環境を整えています。

    最後に、今回のヨーロッパ視察では、オランダとドイツを訪れました。視察の最大の目的は、現地の先生や多国籍のお母さんたちとのつながりをつくり、SkypeやSNSを通じてリアルタイムにコミュニケーションを取り合えるようにすることです。これにより、現場の先生同士が国境を越えて学び合うことができ、アースエイトのお母さんたちも、さまざまな国籍のお母さんたちと子育て談議に花を咲かせることができます。すでに12月からこの取り組みをスタートし、オランダのほか、新たにドイツの学校も加えながら、アースエイトの新しいプログラムづくりを進めています。

  • 海外視察ルポ Vol.2 マレーシア
    May 2015

    広大な開発地を持つマレーシアが国家規模で開発を進めているジョホールバルを視察。国家主導の巨大都市開発「イスカンダル計画」が急ピッチで進められる中、教育特区Edu Cityを設置し、世界中から教育機関を誘致しています。2012年には、英国キャサリン妃の母校であるマルボロ・カレッジがジョホールバルに分校を新設し、教育移住の代名詞的な存在となりました。
    マレーシアの学校では国際バカロレア(IB)が導入されています。IBとは国際的な視野を持った人材を育成するため、国際バカロレア機構(本部スイス・ジュネーブ)が提供する国際的な教育プログラムです。同国では3歳から18歳まで一貫して同じ学校に通うことができ、とても長いスパンで一人ひとりの子どもたちの成長を丁寧に分析し、記録していきます。IBの教育プログラムを導入した学校の卒業生は、世界中にある2万以上の大学の受験資格もしくは入学資格を卒業と同時に取得することができ、世界への第一歩となります。
    IB は、2015年9月1日現在、世界140以上の国・地域の4329校(日本国内35校)で実施されています。

  • 海外視察ルポ Vol.1 シンガポール
    May 2015

    シンガポールは今、アジア経済の急成長を背景に、国を挙げて優秀な人材を育成する教育に力を入れています。この国の学校では54カ国以上の異なる国籍の子どもたちが共に学びます。ダイバーシティ(多様性)教育のその先で実践されているインクルーシブ教育では、それぞれの個性が強いからこそ、子どもたち、大人たちがお互いの価値観や文化の違いを認め合い、自分が得意なこと、苦手なことを理解し、友達が得意な分野を知ることで互いの力や可能性を生かして学び合う文化が育まれています。
    さらに言語教育では、バイリンガルを超え、マンダリン(中国語)を加えたトリリンガルを基本に、4歳からはスペイン語も選択できるよう充実した環境が整っています。
    2歳から18歳までの間に、世界中のさまざまな国籍の人々が集う環境の中で育つ子どもたちと出会い、アースエイトの子どもたちにも、世界と時代を共にする(もしかすると22世紀を共に迎えるかもしれない)、世界中で待っている仲間との出会いを楽しみにしながら成長してもらいたいと思っています。そのためにも、根拠のない自信を育ちの土台として、力強く、仲間や家族の結び付きの中で育っていく環境をつくり続けていきます。

協賛企業
  • エール・コーポレーション
  • MARUMIYA GROUP
  • ミモレ農園